【9月28日 AFP】石器時代の石器製作技法は、これまで一般的に考えられていたようにアフリカ大陸で発達しただけではなく、ユーラシア大陸でも革新的な石器が編み出されていたとする研究が25日、米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。

 欧米の国際研究チームは、アルメニア・ノルゲギ(Nor Geghi)で見つかった数千個の石器類を調査。岩を打ち欠いて先のとがった剥片石器を作る「ルバロア(Levallois)技法」に着目し、研究を行った。

 武器として洗練された石器の製造技法はアフリカ大陸で発明され、人類の移動・拡散に伴ってユーラシア大陸に広まったというのが、従来の有力説だった。だが今回、研究チームは、32万5000年前のアルメニアでルバロワ技法の両面加工が施された武器が開発されたとする証拠を示した。

「1か所から数千個の石器が見つかった。人類の行動様式や生物学上の大きな変化が起きた石器時代に、どのように石器が発達していったかという点で、新たな洞察をもたらす大きな発見だ」と、英ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校(Royal Holloway, University of London)地理学部のサイモン・ブロックリー(Simon Blockley)氏は述べている。

 ブロックリー氏は、同僚のアリソン・マクラウド(Alison MacLeod)氏や欧米各国の研究者とともに、ノルゲギの発掘現場で火山物質を分析。「(石器が埋もれていた地層の)正確な年代を特定できたので、この特徴的な技術革新が、他の地域の人類とは無関係に生じたことを示す証拠が初めて得られた」と結論付けた。(c)AFP