【9月23日 AFP】米アラスカ(Alaska)州の地方テレビ局のリポーターが、生放送で医療用大麻の合法化を推進する団体に関して報じた直後に、団体の代表が自分であることを明かし、その場で職を辞任した。

 アラスカの地元テレビ局KTVAのイレブン・ニュース(11 News)のリポーター、シャーロ・グリーン(Charlo Greene)氏は、報じたばかりの大麻事業のオーナーは自分だと語った上でテレビ局を辞めると表明し、隣にいた同僚アナウンサーを驚かせた。

 グリーン氏はレポートの締めくくりに「今、皆さんがお聞きになった全てのことが、アラスカ大麻クラブ(Alaska Cannabis Club)の実際のオーナーである私が何故、自分のエネルギーを今後、自由と公正を求める(大麻合法化のための)闘いに費やすのかという理由です。その闘いは、ここアラスカでの合法化を目指すことから始まります」。さらにグリーン氏は放送禁止用語も交え「そしてこの仕事については、私に選択の余地はなく、ファック・イット(fuck it、もういい)、辞めます」と語った。

 テレビカメラは突然角度を変え、明らかに狼狽(ろうばい)している同僚アナウンサーに向いた。アナウンサーはすぐに謝罪し「中断します」と述べたが、番組はそのまま別のニュースを伝えるなどして続行された。

 アラスカ州では11月に大麻の合法化の是非をめぐる住民投票が予定されている。グリーン氏は後にアラスカの別の報道機関に対し、大麻合法化の提案に関心を集めたかったと語り「この問題に注目を集めたかった。テーマは医療用大麻。『(投票対象の)条例案2』は医療用としての大麻使用を実現化しようというものだ。患者の大半は、州が医薬品を使用するための枠組みを設けていないことを知らない」と述べた。

 さらにグリーン氏は「(テレビでの発言で)誰かを傷つけたとすれば謝罪する。しかし、自分の選択については後悔していない」とも述べた。KTVAはグリーン氏を解雇したと発表した。(c)AFP