【9月22日 AFP】キューバ政府は19日、経済改革の一環として、国営レストラン約9000店を民間に払い下げる計画を発表した。

 これまで全国で8984店ある国営レストランは、料理やサービスの質が悪く、品切れも多いと国民の間で評判が悪かった。

 アイーダ・チャベス(Aida Chavez)副貿易相は、これらの国営レストランを2015年から段階的に売却すると発表した。レストランが入っている建物自体は政府から新しい店の所有者に貸し出される形だが、その他の資産はかまどから食器まですべて売却するという。「この決定はキューバ国民や観光客のために、品質と安全性の高いサービスが今日要求されている(レストラン)業界を近代化させるための改革だ」とチャベス氏は語った。

 キューバには現在、1261店の個人経営のレストランがあり、国営レストランよりも高い値段で、質の高い料理とサービスを提供している。

「パラダール」と呼ばれるこうした個人経営のレストランは、90年代にフィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長によって初めて経営が認められた。当初は家族のみでの経営で、客席は最大12席までしか認められていなかったが、現在は最大50席、従業員を雇うことも許されている。こうした改革はキューバの観光業界の発展の鍵となってきた。外国人観光客は年間300万人近くに上る。

 キューバは、現在88歳のカストロ氏が06年に弟のラウル・カストロ(Raul Castro)氏に権力を移譲して以来、段階的な市場開放を開始している。ただ、その経済改革は今のところ、期待されたほどの経済成長にはつながっていない。(c)AFP