【9月22日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は22日、インターネット上に投稿した声明で、同組織への対抗を目的とした米国主導の有志連合に参加する欧米諸国の市民らを殺害するようイスラム教徒に呼び掛けた。

 ISの広報を担当するアブ・モハメド・アドナニ(Abu Mohammed al-Adnani)氏は、数か国語で投稿した声明の中で「米国人や欧州人、特に悪意のある汚れたフランス人、あるいはオーストラリア人やカナダ人…イスラム国に敵対する連合に加わった国々の市民を殺害できるのであれば、アラーの名の下に殺害せよ。不信仰者は、民間人だろうが軍人だろうが殺害せよ」と述べた。

 現在、米国とフランスはイラク領内のISを標的とする空爆を実施しており、国際的な脅威としてはっきりと認識されつつあるISに対抗するための有志連合の構築を模索している。

 イスラム共同体であるカリフ制の国家を宣言するISは、イラクからシリアにかけた広範囲の地域を掌握している。近年最も暴力的で強力なテロ組織とみなされており、これまでに数百人のイラク人、シリア人、外国人の人質らを「処刑」し、その残虐な活動によって100万人以上が避難を余儀なくされている。

 アドナニ氏の声明はアラビア語で録音されているが、英語、仏語、ヘブライ語の訳も付いていた。その中で、軍装備品がなくても殺人行為を実行できる方法について「相手の頭を石で殴る、ナイフで刺す、車でひき殺す、高所から落とす、窒息させる、毒を盛る」などと説明している。

 またエジプトのシナイ半島(Sinai Peninsula)の武装勢力を称賛し、アブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)エジプト大統領のために戦う者たちの「喉をかき切れ」と挑発するような発言もしている。

 さらに「アメリカとその同盟国たち、十字軍たちよ、お前たちが想像していたよりも問題は危険で、お前たちが思い描いていたよりも大きいことを思い知れ。今日、われわれは新しい時代に突入したことを警告する。この(イスラム)国が、その兵士たちが、その息子たちが、奴隷ではなく指導者となる時代なのだ」と述べている。(c)AFP