【9月22日 AFP】地球温暖化の国際研究チーム「グローバル・カーボン・プロジェクト(Global Carbon ProjectGCP)」は21日、温室効果ガス排出量の顕著な増加を背景に、世界は今後1世代以内に地球の気温上昇を2度未満に抑えるための排出枠を使い果たし、その「安全域」から脱してしまうと警鐘を鳴らした。

 23日に開催される国連(UN)気候変動サミットの2日前に発表されたGCPの報告書は、化石燃料の燃焼やセメント生産などによる二酸化炭素(CO2)の排出量が2013年に2.3%増加し、過去最高となる360億トンに達したことを明らかにした。2014年にはさらに2.5%の増加を予測している。

 GCPの研究によると、これは世界の「炭酸ガス排出の割当量」が急速に使い尽くされていることを意味するという。「割当量」とは許容量と同様、1750年の産業革命開始時から2度の気温上昇の壁を超える手前までに排出可能とされている温室効果ガスの最大量。

「現状の排出ペースが続くと、地球温暖化の2度を乗り切るための『割当量』は、われわれの1世代に相当する約30年で使い果たされる」と報告書の執筆者らは指摘している。

「世界の平均気温の上昇を産業革命以前の時代より2度未満に抑えるという目標を、66%という高い確率で実現するためには、将来の全CO2排出量が1兆2000億トンを超えないようにする必要がある」

 23日にニューヨーク(New York)で開かれる気候変動サミットは、気候変動に関して国連が掲げた目標の達成に政治的な推進力を与えることを目的としている。

 国連加盟国は、地球温暖化を産業革命以前の水準から2度未満に抑えることに合意しているが、この目標をいつまでに達成すべきかという期限は定めていない。

 今回の研究結果は、英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」と英科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)」の2つの査読学術誌に発表された。(c)AFP