【8月20日 AFP】中国広東(Guangdong)省南部・珠海(Zhuhai)市にある横琴(Hengqin)島は今、中国の内需を促す改革の実験場として開発が進められている新経済特区だ。

 珠江(Pearl River)の河口を挟んだ対岸には、特別行政区の香港(Hong Kong)と35年前に経済特区に指定された深セン(Shenzhen)市がある。漁村だった深センは、流入した外国資本とより開放的な資本主義経済の試験導入により、今や輸出の一大拠点に。人口は1000万人を超え、高層ビルが立ち並ぶ。

 しかし中国経済が長期にわたる成長の鈍化に直面している中、政府は経済政策の焦点を、インフラ投資や対外貿易よりも内需が拡大の牽引力となる方向に合わせ直そうとしている。

 今はまだ大半が野原や低木地に覆われた横琴島は、教育やクリエーティブ産業、観光のハブになることを目指し、そこにテーマパークやホテル、レストランなどを建設しようとしている。狙っているのは、急増する中国の中間所得層の財布だ。

 総工費50億ドル(約5000億円)をかけ横琴島にオープンした「長隆海洋王国(Chimelong Ocean Kingdom)」には、3月にギネス世界記録(Guinness World Records)に世界最大と認定された水族館がある。水族館で使用している水の量は約5万トン。入館料は300元(約5400円)だ。テーマパークの敷地内にはその規模を象徴するように、高さ63メートルの巨大ジンベイザメの像が立つ。