【9月20日 AFP】英スコットランド(Scotland)のアレックス・サモンド(Alex Salmond)行政府首相は19日、英国からのスコットランド独立の是非を問う住民投票での敗北を受けて辞任を表明した。一方、連合王国(英国)が無傷で残ったエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は、独立の是非で分裂したスコットランド人の間の「相互尊重」を呼びかけた。

 投票日2週間前からのスコットランド民族主義の支持急上昇にもかかわらず、投票結果は独立反対が55.3%、賛成は44.7%だった。投票率は84.6%で、英国では過去最高となった。

 サモンド行政府首相はエディンバラ(Edinburgh)で行った記者会見で敗北を認め、行政府首相とスコットランド民族党(Scottish National PartySNP)党首を11月に辞任すると発表。「指導者としての私の時代は終わりに近づいているが、スコットランドの運動は継続し、その夢が死に絶えることはない」と強調した。

 独立反対派の運動員たちはスコットランド全土で歓呼し、抱き合い、踊った。デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は、「大変嬉しい」と語り、スコットランド独立問題は「一世代の間」は一段落したとの見方を示した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、「グレートブリテン及び北アイルランド(Great Britain and Northern Ireland)の全ての人たちとの強力かつ特別な関係」の継続を望むと述べた。

 独立賛成派の運動は、スペインのカタルーニャ(Catalonia)地方など他地域の分離独立運動も触発し、英国各地の自治権拡大要求のパンドラの箱を開けることにもなった。

 エリザベス女王は、滞在中のスコットランド北東部のバルモラル城(Balmoral Castle)で、スコットランド独立に賛成と反対を唱えた双方の人たちに相違を脇に置くよう訴え、「私たちはスコットランドへの永遠の愛を共有している」と述べ、「スコットランドの人びとには、連合王国の他の人たちと同様、強硬な意見を表現した後に、相互尊重の精神で再び一緒になる力があると、私は信じて疑いません」と強調した。(c)AFP/Katherine Haddon and Ouerdya Ait Abdelmalek