【9月20日 AFP】(一部更新)ロシアの軍用機6機が17日、アラスカ(Alaska)付近の米国の防空識別圏(ADIZ)に入り、米国のF22戦闘機が発進していたことが分かった。ロシア機の内訳は戦闘機2機、空中給油機2機、長距離爆撃機2機で、特に問題を起こすことなく同空域を出た。2人の米国防当局者が19日、明らかにした。

 また北米航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense CommandNORAD)の報道官によると、18日にはロシアの長距離爆撃機2機がカナダの防空識別圏に入った。カナダのCF18戦闘機2機が発進し、2機の爆撃機は特に問題を起こすことなく同空域を出た。

 匿名の米国防当局者の1人はAFPに対し、ロシアの航空機がこの空域に入ったことは過去にもあったが、戦闘機が長時間にわたってこの空域を通過したのは初めてだと語った。

 ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は18日に米国の上下両院合同会議で演説し、ロシア軍がウクライナ東部に介入していると非難していたが、米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は、ロシア軍機の米・カナダの防空識別圏への進入がポロシェンコ大統領の訪米と関係があることを示す証拠はないと述べた。

 ロシア極東では今月19~25日の日程で軍事演習「Vostok-2014」が行われている。ロシア国防省によるとこの演習には兵士10万人、航空機120機が参加するが、米国とカナダの防空識別圏に入ったロシア軍機がこの演習に参加する予定だったのかは明らかになっていない。(c)AFP