【9月20日 AFP】カナダ・トロント(Toronto)市の市長を務めながら、喫煙タイプのコカイン「クラック」の使用が発覚し、世界中から悪評を買ったロブ・フォード(Rob Ford)氏(45)が、がんと闘うために化学療法を受けることになった。市長の主治医が17日、明らかにした。

 再選を目指していたフォード市長は1週間に及ぶ入院と検査の結果、がんが発見され、治療に専念するために市長選への出馬を取り止めることを発表した。

 フォード市長は薬物とアルコールの乱用の治療のため2か月間休職し、6月に復職したばかりだったが、先週になって腹痛で入院。検査の結果、悪性脂肪肉腫と診断された。主治医のゼーン・コーエン(Zane Cohen)氏が記者会見で語った。

 現在の腫瘍の大きさは12センチほど。今後数か月はトロントのマウントサイナイ病院(Mount Sinai Hospital)で化学治療を受け、腫瘍の縮小を目指す。その後再検査し、化学療法を続けるか、あるいは放射線治療や手術を行うかを決めるという。

 フォード市長はスキャンダル発覚後の昨年11月、市議会に市長権限の大半を剥奪され、その後も辞職を求められてきた。だが市長はこの夏を通じて「もう一度私にチャンスを」と題した運動を展開し、市長に対する市民の支持率も比較的高かった。

 フォード市長の市長選出馬撤回を受け、兄のダグ・フォード(Doug Ford)市議会議員が後を引き継ぎ、市長選への出馬を表明した。(c)AFP/Michel COMTE