【9月18日 AFP】シエラレオネは19日午前0時から、感染の拡大が続くエボラ出血熱への対策として、国内全土に3日間の外出禁止令を発動し、ボランティア約3万人が全世帯を個別訪問して感染者や遺体の特定を実施する。

 過去最悪のエボラ流行によりシエラレオネ国内ではこれまでに500人以上が死亡している。

 「家から家へ、エボラの話し合い」と銘打たれたこの対策では、一チーム7000人のボランティア、4チームが全国150万世帯全てを個別訪問する予定。ボランティアは各家庭に石けんを配布し、感染予防の方法を教える他、地域住民によるエボラ監視チームを立ち上げるという。

 シエラレオネ政府は、ボランティアらが住宅の中に立ち入ることはなく、患者や遺体を収容することもないとしているが、「もしもチームがそういった状況に遭遇した場合には」緊急サービスや埋葬チームを派遣する予定だと述べている。

■外出禁止令、感染拡大につながる恐れも

 一方専門家らは、全国規模の外出禁止令と全世帯の個別訪問が「極めて非現実的」だと指摘している。

 緊急医療援助団体「国境なき医師団(Doctors Without BordersMSF)」のジャンエルベ・ブラドル(Jean-Herve Bradol)前ディレクターはAFPに「シエラレオネにはわずか3日間で全世帯を訪問する能力はない」と語った。

 さらにMSFは、この措置により「国民と医療提供者との信頼関係が損なわれる」可能性を懸念。「これにより潜在的な感染事例が隠ぺいされ、さらなる感染拡大につながる恐れがある」と声明で述べた。(c)AFP/Rod Mac Johnson