【9月18日 AFP】まず手足に冷えを感じ、続いて顔色が青ざめて動けなくなり、中には痙攣(けいれん)し倒れ込む子も──南米コロンビアの町で少女たちが相次いで謎の症状を呈し、地元住民は子宮頸(けい)がんワクチンの副作用を疑っている。

 コロンビア北部の港湾都市カルタヘナ(Cartagena)に近い人口6万7000人のエル・カルメン・デ・ボリバル(El Carmen de Bolivar)市では、数十人の少女たちがこうした症状に悩まされ、意識を失う例も出ている。

 エバ・メルカドさん(15)は、1か月に7回も気絶した。「5月にワクチンの接種を受けて、8月から気を失うようになった。足が重くなって、手は感覚がなくなった。起きたら病院にいた」と語る。市内の病院は、続々と運び込まれる意識のない少女たちでパンク状態だ。

 少女たちの症状について医師らは、低血糖症や薬物中毒の可能性を調べたが、徒労に終わった。ある病院関係者によると、これまでに未成年者約370人が診察を受け、少年1人を除くと全員少女だったという。

 病院では、少女たちに呼吸法を教え、食塩水や酸素を与えた後で家に帰している。だが、頭痛や背中の痛み、手足が思うように動かないなどの症状で、1か月に16回も病院へ通ったという少女もいる。この謎の症状に見舞われた少女たちは、外出しなくなる。家から1歩も出ない少女もいる。

 国内メディアはこの症状をトップニュースで報じ、事態に介入せざるを得なくなったフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領は、子宮頸がんワクチンの安全性に問題はなかったと強調。症状は「集団連鎖現象」にすぎないと述べたが、これにエル・カルメン・デ・ボリバルの住民は激怒した。

 13歳の娘に症状が出ているというマリア・ベロニカ・ロメラさんは、「これは集団ヒステリーでもないし、心理操作でもない。娘がワクチン接種を受けた後にこういう症状が出たのだ。他に何が原因だと言うのか」と話した。(c)AFP/Paula CARRILLO