【9月18日 AFP】仏航空大手エールフランス(Air France)のパイロットたちが今週、同社傘下の格安航空会社のサービス拡大に抗議してストライキに突入し、運航便の半数以上に影響が出ている。

 パイロット組合は、エールフランスが系列格安航空トランサビア・フランス(Transavia France)の事業拡大を計画していることについて、エールフランスの運航便数を減らしてパイロットの雇用費を低く抑えられるトランサビア便を増やし、コスト削減を図っているとして反発している。

 エールフランス筋がAFPの取材に明らかにしたところによると、トランサビアのパイロットの時間当たり雇用コストは、エールフランスのパイロットより約40%低い。エールフランスのパイロットの年収は平均7万5000ユーロ(約1050万円)だが、長距離便の機長になると最高25万ユーロ(約3500万円)にもなる。

 マニュエル・バルス(Manuel Valls)首相は、ストは大半のフランス人にとって「理解に苦しむ」ものだと指摘。「エールフランスのみならず、わが国の魅力とイメージにとっても重荷となる」と述べて、スト中止を強く求めた。

 しかし、会社と組合側との交渉は進展せず、スト3日目の17日も全10便のうち6便が欠航。18日の運航便も通常の42%にとどまる見込みだ。パイロットらは1998年以来最長となる1週間のストを警告しており、フランスの空の足への影響はしばらく続くとみられる。

 組合側は、トランサビア便を含めた100便以上をエールフランスのパイロットが運航するとの保証を要求している。(c)AFP/ Sylvie HUSSON