【9月17日 AFP】夫が勤務先の工場で首を吊って自殺したときに使ったロープを、着ていたシャツや靴下と一緒に雇い主から届けられた妻が15日、夫の労災認定を求めて雇い主を相手取り裁判を起こした。

 仏北部カレー(Calais)市近郊の工場に勤務していた男性の妻、リシアンヌ・ルブールさんは夫が職場で同僚からいじめや嫌がらせをされていたと主張している。

 夫が自殺した後、夫のロッカーに残っている私物を返してくれるよう数回、工場に手紙を送ったところ、ベルクシュルメール(Berck-sur-Mer)の自宅に小包が送られてきたが、開けると中には夫が自殺に使った太く長いロープも入っており、リシアンヌさんは絶句したという。

 リシアンヌさんは現地紙「ノールの声(La Voix du Nord)」に「8キロの重さの小包が送られてきた。中にはTシャツと靴下がいくつか、それから鉛筆とロープが入っていた…私のショックを想像してほしい」と語った。リシアンヌさんは夫の死について労災認定を求めて工場を相手取り、提訴すると述べた。

 一方、工場長はロープを送ったことは「重大な誤り」だったとして、リシアンヌさんに謝罪の書簡を送った。同紙が引用した書簡には「捜査に必要となるかもしれないので私物とロープをまとめて提出するよう警察に言われた。あなたに彼の私物を送ってほしいと言われ、その箱の中身を確かめずにそのまま送ってしまった」と説明されていた。(c)AFP