【9月17日 AFP】南アジア3か国を歴訪中の中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は16日、スリランカを訪問し、マヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)大統領と会談した。

 習主席は会談後の記者会見で、経済外交を通じて貿易ルートを確保するという、習主席が提唱している「21世紀の海上シルクロード」構想と、スリランカを地域の海上・航空輸送の一大拠点にするというラジャパクサ大統領の構想は互いに良く調和すると指摘。両国は協力を深めることによって「海上シルクロード」構想がもたらす利益を実感するはずだと述べ、中国はスリランカと「港湾の建設と開発、沿岸工業団地の開発と建設、海事経済および海上安全保障」の分野で協力を強化していくと語った。

 二国間協議後に発表された共同声明で、両国は防衛と海上安全保障での協力体制を引き上げることで合意したと発表した。さらに、スリランカ沿岸で沈没した15世紀の中国艦隊のものとみられる難破船の捜索でも協力するという。

 中国は近年、国際海上交通路の要衝に位置するスリランカへの影響力を積極的に強めており、すでに深水港(喫水の深い大型貨物船が入れる港)や国際空港建設への投資によって最大の対スリランカ投資国になっている。中国が投資した戦略的なスリランカの港湾開発に、スリランカの隣国インドは神経をとがらせている。

 習主席は17日、中国政府からの14億ドル(約1500億円)の資金でスリランカ最大の都市コロンボ(Colombo)に建設される港湾都市の起工式に出席した後、モルディブ、スリランカに続く最後の訪問国となるインドに向かう予定。(c)AFP/Amal JAYASINGHE