【9月17日 AFP】ウクライナ最高会議(議会)は16日、歴史的となる欧州連合(EU)との連合協定を批准した。同時に欧州議会(European Parliament)もウクライナとの政治・経済関係を強化する同協定を批准し、同協定は締結された。

 親ロシア派のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)前政権がこの協定の締結を拒否したことをきっかけに、ウクライナは1991年の独立以来最悪の危機に陥っていた。同協定が締結されたことを受けてロシアは、編入したクリミア(Crimea)半島に軍部隊を増派する計画を発表し、冷戦後最も深刻となった東西対立で後退する意思のないことを示した。

 ペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)ウクライナ大統領は、1200ページに及ぶ同協定を批准したことにより、28か国からなるEUへの加盟の第一歩を踏み出したという認識を示した。ポロシェンコ大統領は訪米し、18日にバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と会談して自国の危機について協議することになっているが、同協定によってウクライナの親欧米姿勢が改めて強調された。

 EU首脳陣も、同協定批准によって「ウクライナが変革を果たし、現代的で豊かな欧州の民主主義社会に加わるための青写真」が描かれたと歓迎。一方で、自由貿易協定については2016年まで発効を延期することが決定された。これはロシアに妥協したものとみられ、画期的な連合協定締結に影を落とす格好となった。(c)AFP/Tanya WILLMER