【9月17日AFP】オーストラリアで、「ジョージ(George)」という名の金魚が、頭部から突き出た腫瘍を切除する「高リスク」手術を無事乗り越えた。担当した獣医も「厄介」だったと話す難しい手術だったが、ジョージの容体は快方に向かっているという。

 巨大な腫瘍を患っていた10歳のジョージに対して、飼い主のメルボルン(Melbourne)在住の女性には2つの選択肢が与えられていた。手術させるか、そのまま永眠させるか。そして飼い主は、難しい手術を受けさせることを選んだ。

 手術を行ったロート・スミス(Lort Smith)動物病院の獣医師トリスタン・リッチ(Tristan Rich)氏は地元ラジオ局3AWに対して16日、「彼女は金魚に手術を受けさせようとするほど献身的だった」と話した。

 麻酔で眠らされ、30分間の手術を受けたジョージは、今では自宅の池に戻るまでに回復しているという。

 手術はバケツ3つを使って行なわれ、うち最初の2つには金魚を眠らせ、術中に目を覚まさないようにするためにそれぞれ異なる量の麻酔剤が入れられた。

「ご想像の通り、かなり厄介な手術だった。どんな失血も制御しなければならなく、たった5ミリリットルの失血しか許されない」「明らかに高いリスクが伴う手術だったが、最終的には全て順調に進んだ」(リッチ氏)

 金魚が30歳まで生きた例があると話すリッチ氏は、以前にも同様の手術を執刀した経験があったという。

 リッチ氏はまた「飼い主はジョージをこよなく愛していた」「誰もがさまざまな形でペットと絆を結ぶもので、動物の種類で区別するのは私たちのすることではない」と話している。同氏によると、手術費用は数百豪ドル(数万円)かかったという。ペットショップでは金魚は10豪ドル(約970円)以下で売られている。(c)AFP