アジア大会を取材する北朝鮮記者団、ネット使えずFAXを駆使
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【9月16日 AFP】韓国・仁川(Incheon)で開催されている第17回アジア競技大会(17th Asian Games、Asiad)の組織委員会は16日、北朝鮮の記者団は韓国でのインターネットのアクセス権を制限されているため、ファックスを使用して記事を送っていると明かした。
ソウルの韓国統一省は、韓国ではアクセスが遮断されている北朝鮮のウェブサイトへの特別なアクセス権について、北朝鮮メディアには与えられていないと述べた。
そのため大会が開幕すると、北朝鮮の記者団はファックスを取り出して、記事を送る作業に追われている。
韓国統一省の報道官は、AFPに対して、「全韓国国民が知っている通り、南北両国間には(インターネットによる)直接の通信手段はない。わが国では、北朝鮮のウェブサイトの閲覧は禁止されている」と述べた。
「北朝鮮の代表団は、彼らの国のウェブサイトにアクセスしようと試みたが、当然不可能だった」
「従って、韓国政府が北朝鮮を訪れて政府間協議を行う際、ソウル本部への伝達手段としてファックスを使用しているのと同様に、北朝鮮の記者団もファックスを使っている」
代表チームのトレーニングウエアを着用し、アジア大会では目立つほど厳しく統制されている北朝鮮メディアのメンバーは、大規模な代表団とともに国境を越えて訪韓した。
北朝鮮・朝鮮労働党の機関紙、労働新聞(Rodong Sinmun)は同日、中国に3-0で勝利したサッカーの試合について4ページの特集記事を掲載したが、アジア大会の開催地については触れていなかった。
一方、組織委員会の関係者は、韓国英字紙コリア・タイムズ(Korea Times)に対して、北朝鮮が宿泊施設のWiFiの使用を求めてきたと述べた。北朝鮮では、WiFiは遠方の州など使用できる場所が限られ、特別な権限が必要となる。(c)AFP