【9月16日 AFP】かつて国際サッカー連盟(FIFA)で上級役員を務めたジェローム・シャンパーニュ(Jerome Champagne)氏が15日、来年行われるのFIFAの次期会長選挙で、ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長の対抗馬として出馬することを正式に表明した。

 2002年から2005年まで、ブラッター会長の側近として事務局長代理を務めていた56歳のシャンパーニュ氏は、自身のツイッター(Twitter)で、スイスにあるFIFAの本部に書簡を送り、今年1月に英ロンドン(London)で宣言した通り、正式に立候補したことを明かした。

 シャンパーニュ氏は当初、出馬しても1998年から任期を務める77歳のブラッター会長には勝てないと考えていたが、欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長が相手ならば好機はあると考えていた。

 その後、ブラッター会長が再選には臨まないと表明していたにもかかわらず出馬を決め、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)前にブラッター会長への不支持を訴え、出馬の意向を示していたプラティニ氏は身を引いた。

 国際アドバイザーとしてFIFAの一員となる前まで、1998年W杯フランス大会の招致活動を成功に導いた外交団のメンバーだったシャンパーニュ氏は、FIFAやサッカー界の未来についての討論が始まったことを歓迎し、選挙戦の立候補者はこれから増えていくだろうとの見解を示した。

 シャンパーニュ氏は、自身のウェブサイト上で、「謹んでお知らせいたします。私はたった今、FIFAの特別選挙委員会とその会長を務めるドメニコ・スカラ(Domenico Scala)氏に対し、FIFAの会長選挙に立候補することを伝えました」と明らかにした。

「この決意表明は、言うまでもなく現行のFIFA規則に従ったものであり、1863年にイングランドサッカー協会(Football Association、FA)が設立されたロンドンで、私が2014年1月20日に出馬の意思を示した声明と一致するものです」

「個人の立場からも、私はFIFAとサッカー界の未来についてようやく討論が始まり、多くの立候補者が見込まれることを喜んでいます」

「何よりもまず、民主主義を原則とする機関において、問題を討議することは正常の過程です」

「そして、この議論は特にサッカー界に必要不可欠です。このグローバル化された21世紀において、われわれが明確で詳細な情報を基に決断しなければならないのは、このまま経済の格差を維持し、このスポーツの不均衡に後から気づくのか、あるいは自らの意志で競技のバランスを取り戻していくのかどうかです」

 選挙戦のために、自ら資金調達を行っているシャンパーニュ氏は、2002年の会長選挙でブラッター陣営の支援に回って勝利に導き、2010年に組織を去るまでFIFAの国際関係部門の理事を務めた。

 その後は、独立したサッカー顧問として、コソボにFIFAの公認を取り付けたり、イスラエルとパレスチナ間の仲介役として尽力したりしている。

 会長選は、来年5月にFIFAの総会で行われる。(c)AFP