【9月16日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)のグループリーグ初戦でアーセナル(Arsenal)と対戦するボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)では、香川真司(Shinji Kagawa)の存在がマルコ・ロイス(Marco Reus)離脱の痛手を軽減し、チームを大きく勇気づけている。

 2012-13シーズン大会ファイナリストのドルトムントにとって、ロイスの負傷は悪い知らせだった。先日行われたドイツ代表の試合で、ロイスは足首の捻挫と靱帯の部分断裂という負傷に見舞われ、4週間の離脱が決まっている。

 離脱したロイスの穴は、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)で出場機会に恵まれず、ドルトムントに復帰したばかりの香川が埋める。

 25歳の香川は、チームに合流してからまだ2週間しか経っていないが、ドルトムントのファンに、なぜあれほどまでにイングランドへの旅立ちを惜しんだかをはっきりと思い出させた。

 13日のSCフライブルク(SC Freiburg)戦で、香川は足がつったため後半19分に途中交代したものの、アドリアン・ラモス(Adrian Ramos)の先制点を演出すると、自ら得点も決めて3-1の勝利に貢献した。

 ケヴィン・グロスクロイツ(Kevin Grosskreutz)、ヘンリク・ムヒタリアン(Henrikh Mkhitaryan)とともに、慣れ親しんだ4-2-3-1の2列目で香川を起用したユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は、「シンジがいい感じにボールを蹴れて、特別な雰囲気を作り出せるのは以前から分かっていた」と語った。

「シンジはまだゴールの嗅覚を持っている」

 香川がSCフライブルク戦で記録した得点は、2013年5月以来となる公式戦のゴールだった。

 ドルトムントではほかに、ドイツ代表としてW杯ブラジル大会(2014 World Cup)を制した主将のマッツ・フンメルス(Mats Hummels)も練習に復帰している。

 フンメルスはアーセナル戦には出場しない予定だが、チャンピオンズリーグ開幕を控え、「良いスタートを切りたい。ホームで勝利がほしいね」とコメントした。

 対するアーセナルは、13日の試合でマンチェスター・シティ(Manchester City)と2-2で引き分けて、グループD初戦を迎える。アーセナルは後半38分に失点を喫し、勝利を逃している。

 アーセナルのアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督は、「私が唯一不満なのは、安易に失点を喫してリードを守りきれなかったことだ」と話した。

「2ゴールを許したし、私はアーセナルが攻撃的なチームだと信じている。われわれは何度も前に出ていくが、現時点ではその部分に改善の余地を残している」

 アーセナルはシティ戦で、フランス代表DFのマテュー・ドゥビュシー(Mathieu Debuchy)が足首を激しくひねり、戦線離脱を余儀なくされている。

 アーセナルのジャック・ウィルシャー(Jack Wilshere)は、ドルトムント戦が拮抗した試合になるはずだとの見解を示した。

 ウィルシャーは、「ドルトムント戦はいつも良い試合になる。手ごわい相手だし、今回は最初がアウェーゲームだから、グループで一番厳しい試合が初戦になるだろう」と話した。

「今回の試合では何か爪痕を残して、僕たちがグループを首位で通過するつもりだと示せるようにしたい。勝つのは難しいにしても、負けるのは避けたい」

 今季のアーセナルは、公式戦6試合中4試合で引き分けに終わっている。その一方でドルトムントは、公式戦4試合で3勝している。(c)AFP