【9月15日 AFP】ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力の拠点ドネツク(Donetsk)周辺で14日、激しい戦闘が勃発した。9日目を迎えた政府軍と親露派との停戦崩壊の懸念が高まっている。

 AFP記者らによると、ドネツクの上空には大きな濃い黒煙の雲が立ちのぼり、砲撃音と自動銃の発射音が終日響き渡った。ドネツク市当局は、民間人の死傷者が出ていると語り、市内は「危機的」状況にあると述べたが、それ以上の情報は伝えていない。

 ウクライナ政府は、親露派がウクライナ東部の政府軍拠点に対する攻勢を強め、停戦を脅かしていると非難している。14日の戦闘はドネツク空港付近に集中しているもよう。ウクライナ軍は、同空港で12日に親露派による攻撃があったものの、撃退したと述べている。

 親露派武装勢力と政府軍は停戦協定に従い14日にも最新の捕虜数十人の交換を行ったが、親露派はウクライナ政府の部隊が自分たちに対し発砲を続け協定に違反していると主張している。

 一方のロシアは13日、水と電気の供給が数週間にわたり滞っている親露派掌握下のルガンスク(Lugansk)に援助物資を運ぶためとして、220台のトラックをウクライナに送り込んだ。ウクライナ政府はトラックの越境許可を出しておらず、これら車両が親露派勢力への支援物資を運んでいる可能性に対する懸念を表明している。(c)AFP