【9月5日 AFP】米政府は4日、シリアが申告していない化学兵器をイスラム過激派が入手する可能性に対し懸念を表明した。

 シリアの化学兵器は、国連(UN)と化学兵器禁止機関(Organization for the Prohibition of Chemical WeaponsOPCW)による合同ミッションが全廃に向けた作業を進めている。

 廃棄作業は9月30日までに正式に完了する予定だが、ミッションを率いるシグリード・カーグ(Sigrid Kaag)特別調整官は、シリア政府の保有兵器の申告に関し依然「矛盾や疑問が残る」と述べた。

 サマンサ・パワー(Samantha Power)米国連大使は「国際社会は引き続きすべての矛盾や申告漏れの解決を強く要求しなければならない」と述べ、現在米国が議長国を務めている国連安全保障理事会(UN Security Council)が「この件に関し、引き続き完全に把握していく」と表明した。

 パワー氏はさらに、「過激派勢力はシリアとイラクで接触したすべての人々を恐怖に陥れており、こうした(シリアの化学)兵器が残っているとすれば、彼らの手に落ちる可能性がある」と懸念を表明した。

 米国は、シリアを拠点に隣国イラクの領土の広範囲を掌握したイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の戦闘員らに対する空爆を実施している。(c)AFP