【9月2日 AFP】オーストラリア放送協会(Australian Broadcasting CorporationABC)は2日、タイ人女性による代理出産でもうけた双子に対する性的虐待の疑いで、オーストラリア人の父親が昨年に訴追されていたと報じた。

 ABCによると、双子を出産したシリワン・ニティチャド(Siriwan Nitichad)さんは、子宝に恵まれなかったオーストラリア人夫婦のための代理出産に同意した。

 アオン(Aon)の通称でも知られるこのタイ人女性はABCに対し「彼女(妻)は、夫がどうしても赤ちゃんを欲しがっていると言って、どうか手を貸してほしいと頼んできた」と語っている。

 タイの首都バンコク(Bangkok)の北にあるペチャブン(Phetchabun)県在住のアオンさんは、自身の卵子を使った代理出産に同意。5500豪ドル(約53万円)を受け取り、数年前に双子を出産した。ABCは双子の現在の年齢は報じていない。

 オーストラリア人夫婦は双子を同国に連れ帰ったが、裁判所の文書から、父親が昨年、双子に対するわいせつ行為と児童虐待製造物の所持の疑いで訴追されていたことが明らかになったという。父親は容疑を否認しており、今年始まる裁判では無罪を主張する見込み。

 双子は離婚した妻の元で育てられているが、アオンさんは自分の元に連れ戻すこともいとわないと話している。

 タイで行われている商業目的の代理出産をめぐっては、別のオーストラリア人夫婦が昨年12月にダウン症候群のある男児を引き取らなかったとして、世界的な議論が起きていた。(c)AFP