【9月1日 AFP】ウクライナ政府は1日、同国東部の複数の主要都市にロシア軍部隊が侵入しており、親ロシア派勢力の拠点の一つ、ルガンスク(Lugansk)付近で攻撃を受けたウクライナ軍は同市の空港から退却を余儀なくされたと発表した。

 ウクライナ軍報道官によると、「武装強化したロシア軍の戦車大隊」と約1時間にわたって交戦した後、ウクライナ軍はルガンスク南部から撤退した。治安部隊のアンドリー・リセンコ(Andriy Lysenko)報道官は「ウクライナ軍は撤退命令を受け、ルガンスク空港などから一斉に退却した。攻撃の正確さから、砲撃を担っていたのはロシア軍部隊の専門の砲撃手だった」と語った。

 一方、人権団体などがAFPに1日明らかにしたところによると、過去2か月間でウクライナへ派遣されたロシア軍兵士の数は最大1万5000人に上るという。うち少なくとも数百人がウクライナ領内での戦闘で死亡したとされる。

 ロシア政府はこれまで、ウクライナ東部で分離独立を掲げる親ロシア派を支援するための常備軍の派遣を否定しているが、過去数週間で見えているさまざまな兆候は、ロシア軍がウクライナ領内にいることを示している。ロシア兵の母親たちが作る人権団体のバレンチナ・メリニコワ(Valentina Melnikova)さんによれば、現在7000~8000人のロシア軍兵士がウクライナ領内にいるものと思われる。またメリニコワさんは、過去2か月でウクライナへ派遣された兵士は1万~1万5000人に上ると推測している。

 この推計は、軍事訓練に徴集されたまま連絡が途絶えている夫や息子を持つ家族たちの情報に基づいているという。ロシア国防省の審議委員会の委員でもあるメリニコワさんは「軍の司令官たちは隠密の特殊作戦を行っている」と述べた。(c)AFP/Maria ANTONOVA with Nicolas Gaudichet in Donetsk and Richard LEIN in Moscow