【9月2日 AFP】(一部更新)パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)で約2週間前から続いているナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)首相の退陣を求めるデモの参加者数百人が1日、国営パキスタン・テレビ(PTV)に乱入し、同テレビ局を一時占拠した。核保有国でもある同国の政治危機は一層高まっている。

 同国のムハンマド・アシフ(Muhammad Asif)国防相はAFPに対し、警察と反政府デモ隊の間のこう着状態の打開を目指し、野党勢力に接近するため超党派の交渉チームが結成されたと述べた。一連の衝突でこれまでに3人が死亡、数百人が負傷している。


 イスラマバードでは1日、こん棒で武装したデモ隊が、最高レベルの警備態勢が敷かれている「レッド・ゾーン」と呼ばれる地区にある国営パキスタン・テレビの建物に突入。直後にニュース番組の放送が中断されたが、デモ隊は約30分後に治安部隊に強制排除された。

 テレビ局占拠の前には、野党政治家のイムラン・カーン(Imran Khan)氏とイスラム学者のタヒル・カドリ(Tahir-ul Qadri)氏を支持する人々と警官隊が通りで衝突。投石を受けた警官隊が、催涙ガスを使用して対応した。

 追いつめられているシャリフ首相は、軍のトップおよび議会の指導者らと話し合いを行った後、辞任が近いとの報道を否定する短い声明を発表した。(c)AFP/Khurram SHAHZAD