【9月1日 AFP】緑内障に関係する6つの遺伝子変異を特定したとの研究論文が、先月30日の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)で発表された。しばしば失明につながるこの疾患の早期診断とより効果的な治療に寄与する研究結果としている。

 独立した3つの研究グループがそれぞれ発表した論文によると、見つかった遺伝子変異については、細胞内でのコレステロールの調節や、老化が関係する動脈疾患のアテローム性動脈硬化などとも関係していることが分かったという。また、これら遺伝子の1つに見られるABOと呼ばれる変異体が、血液型がB型の人により多くみられるとしている。

 研究は、6か国以上の数万人を対象に行われた。緑内障患者と健康な人のDNAとを比較したところ、その違いはすぐに明らかになったという。

 眼圧の上昇による視神経の損傷によって引き起こされることが多い緑内障。早期に治療を行うことで症状の深刻化を回避できる可能性があるため、早期の診断は不可欠だ。そういった観点からも、遺伝的に、より高リスクの患者を見分けることには大きなメリットがある。

 国連(UN)の世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、緑内障が原因で失明した人は世界に約450万人。全体の約8分の1程度と高い割合となっている。(c)AFP