【9月1日 AFP】米国では最近、旅客機内の座席スペースをめぐる客同士のトラブルが2件立て続けに起きたことをきっかけに、リクライニングの是非をめぐる論争が過熱している。

 そんな中、誰もが認めるのは、座席のレッグルーム(足元のスペース)が年々狭くなっていく一方だということだ。旅行情報サイト「IndependentTraveler.com」のサラ・シュリクター(Sarah Schlichter)編集長は、リクライニングのマナーについての問題は「何年もの間、議論の的となっている」とした上で、「だがここ最近の騒動は、乗客たちが空の旅にもはや満足していないという証拠のように思える」と話す。

 米国では、席のリクライニングをめぐる乗客同士のトラブルによって飛行機のルートを変更するという事態が、わずか数日間で2度も発生している。

 そのうちの一つは、ニューアーク(Newark)発デンバー(Denver)行きのユナイテッド航空(United Airlines)機で起きたもので、「ニー・ディフェンダー(Knee Defender)」なる器具を使用した乗客が他の客とトラブルになったことが原因で、同便は急きょシカゴ(Chicago)に目的地を変更した。

 この22ドル(約2300円)の器具は、トレーのアーム部分に2つのクリップを装着することにより、前の席のリクライニングを阻止するもの。発明者のアイラ・ゴールドマン(Ira Goldman)氏はAFPに対し、器具の売り上げは「ここ2年半で順調に増加している」と語ったが、具体的な数値は明らかにしなかった。