【9月1日 AFP】この夏は、イングランドとスペインを中心に大型補強が相次ぎ、5大リーグ全体では20億ドル以上という記録的な額が移籍市場に投じられたが、9月1日の移籍期限までにさらなる大型契約が成立する可能性もちらついている。

 選手ではラダメル・ファルカオ・ガルシア(Radamel Falcao Garcia)、アルトゥーロ・ビダル(Arturo Vidal)といったビッグネームの移籍がうわさされ、クラブではレアル・マドリード(Real Madrid)とマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)がさらなる大型補強に動くとも伝えられており、最終日にはさらに2億5000万ドル(約260億円)が移籍市場に投じられる可能性もある。

 国際会計事務所デロイト(Deloitte)のスポーツ・ビジネス・グループ(Sports Business Group)に勤めるダン・ジョーンズ(Dan Jones)氏は、「今年の移籍市場は記録的な夏になりました」とコメントしている。

 さらにジョーンズ氏は、過去2年の夏の移籍市場では、プレミアリーグのクラブによる資金投入の20パーセント以上が、最終日に行われていると指摘し、すでに記録破りの金額となっている移籍金について、「額が大幅に増える可能性はまだあります」と話した。

 移籍の動向を観察している国際サッカー連盟(FIFA)によると、この夏は8月31日までに、イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスの主要クラブが20億9000万ドル(約2166億円)を移籍市場に投じ、昨年の20億2000万ドルを上回ったという。

 FIFAによれば、5大リーグが投じた資金のうち、43パーセントをイングランドが占め、これにスペインの25パーセント以上、ドイツの約10パーセントが続いた。残りのイタリアとフランスは、昨年よりも資金注入が減っている。

 デロイトによれば、プレミアリーグの20クラブは、6月9日から8月29日までに7億2500万ポンド(約1250億円)を使用したという。これは昨年をすでに1億ポンド以上も上回っている。

 さらに英国メディアは、マンチェスター・ユナイテッドがアヤックス(Ajax)から獲得したデリー・ブリント(Daley Blind)を加えると、合計額はすでに7億5000万ポンド(約1300億円)近くに上っていると報じている。

 欧州全体で選手獲得に最も多くの資金を投じたのは、やはりマンチェスター・ユナイテッドだった。

 ユナイテッドは、約5900万ポンド(約103億円)でアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)を獲得したほか、ブリント、アンデル・エレーラ(Ander Herrera)、ルーク・ショー(Luke Shaw)、マルコス・ロホ(Marcos Rojo)の獲得に合計で1億4000万ポンド(約240億円)を費やしており、さらに1日夜の移籍期限までに、ビダルのほか数選手を補強するとうわさされている。

 リバプール(Liverpool FC)も1億1500万ポンド(約200億円)を投入しており、その多くはマリオ・バロテッリ(Mario Barwauh Balotelli)、アダム・ララーナ(Adam Lallana)、デヤン・ロブレン(Dejan Lovren)の獲得に費やされた。

 セスク・ファブレガス(Cesc Fabregas)、ジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)を獲得したチェルシー(Chelsea)は7500万ポンド(約130億円)、アーセナル(Arsenal)は6200万ポンド(約107億円)を補強に費やしている。