【9月1日 AFP】ドイツ南部バイエルン(Bavaria)州の秋の風物詩、ビールの祭典「オクトーバーフェスト(Oktoberfest)」が、賃上げ交渉中のパン職人たちのストライキに脅かされている。期間中にストが決行されれば、ドイツ名物の塩味のパン「プレッツェル」をビールのお供に楽しむことはできないかもしれない。

 独週刊誌フォークス(Focus)が1日伝えたところによると、ドイツ食品・外食産業労働組合(NGG)バイエルン支部のムスタファ・オズ(Mustafa Oz)支部長は、9月中旬までに賃上げ要求が受け入れられなければ、パン製造労働者がスト入りすると宣言。「そうなれば、今年のオクトーバーフェストからプレッツェルやローパンが姿を消すことになるだろう」と警告した。

 同労組では、バイエルン州南部のパン製造部門で働く4万8000人を代表して団体交渉を行っているが、これまでのところ経営者側が提示する金額は、組合側が掲げる6.5%の賃上げ率とは大きな隔たりがある。

 今年で181回目を迎えるオクトーバーフェストは、ミュンヘン(Munich)で9月20日に開幕する。バイエルン伝統の衣装や音楽を楽しみつつ、特大のジョッキに満ちたビールでプレッツェルやソーセージ、クヌーデル(ジャガイモの団子)といった伝統料理を胃袋に流し込む世界最大のビールの祭典には、期間中に数百万人が来場すると見込まれている。(c)AFP