【9月1日 AFP】映画『オズの魔法使い(The Wizard of Oz)』の主人公ドロシーが履いていた、かかとを鳴らすと米カンザス(Kansas)州の自宅まで連れて行ってくれるルビーレッドの靴が現実のものとなりそうだ──。

 インドのITベンチャー企業「Ducere Technologies」が開発したのは、履いている人に振動で進行方向を教えるGPS(全地球測位システム)対応の多機能スマートシューズ「ルチャル(LeChal)」。今月販売予定で、歩数や移動距離、消費カロリーの計算も行うとされる。ルチャルとはヒンディー語で「私も一緒に連れて行って(Take me along)」を意味するという。

 新たに開発された赤いシューズには、ブルートゥース(Bluetooth)が内蔵されている。スマートフォン(多機能携帯電話)用アプリ「グーグルマップ(Google Maps)」とリンクして、利用者には振動で左右を指示するという。

 認知症患者や子供の居場所を把握したい親など、特定市場に向けた多機能シューズは、これまでにも存在していた。しかしルチャルが目指すのは、大衆向けの製品だ。同社はルチャル以外にも、所有する既存の靴を変える中敷きの販売も視野に入れている。

 ルチャルの小売価格は、100~150ドル(約1万~1万5000円)となる予定で、すでに2万5000足の予約が入っているという。また多機能だけあり、携帯端末と利用者との距離が離れすぎた場合には、履いているシューズが振動で教えてくれるようだ。(c)AFP/Annie BANERJI