【9月1日 AFP】ウクライナ領内で約1週間前に拘束されたロシア軍の空挺(くうてい)兵10人が、兵士交換により本国に帰還した。露メディアが8月31日、報じた。

 ロシア兵10人は31日、ネホテエフカ(Nekhoteyevka)にあるウクライナとの国境検問所でロシア当局に引き渡された。これと引き換えにロシア側も、同月27日に親ロシア派武装勢力との戦闘を逃れてロシア領内に入っていたウクライナ兵63人の身柄を返還した。

 ロシア空挺部隊のアレクセイ・ラゴジン(Alexei Ragozin)副司令官は、「交渉は簡単ではなかったが、良識が勝り全てが良い結果となった」と述べ、「最も重要なことは、われわれの兵士たちがロシアに戻ったということだ」と付け加えた。

 ウクライナは25日、ロシア空挺兵10人を拘束したと発表したが、ロシア政府は兵士たちが目印のない国境地域を巡回中に誤って国境を越えてしまったと主張していた。

 露テレビNTVは、同じ空挺部隊では他にもウクライナ軍の攻撃で10人が負傷、2人が死亡したと伝えている。親ロシア派勢力はこのところ、ウクライナ軍部隊を押し返すほどの劇的な反撃に打って出ており、空挺兵の拘束や、ロシア軍基地近くで秘密裏に兵士数人の葬儀が行われていたとの報道によって、ロシア政府が親露派の反攻に関与している可能性に注目が集まっている。(c)AFP