【9月1日 AFP】14-15イタリア・セリエAは31日、第1節の試合が行われ、ACミラン(AC Milan)は3-1でラツィオ(SS Lazio)に勝利した。

 フィリッポ・インザーギ(Filippo Inzaghi)新体制のミランが本拠地で快勝し、これ以上ない形で新シーズンのスタートを切った。

 加入の決まったフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)が、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)会長とともにスタンド観戦するなか、ミランは本田圭佑(Keisuke Honda)、サリー・ムンタリ(Sulley Muntari)、ジェレミ・メネス(Jeremy Menez)が得点を決め、ふさわしい勝ち点3を獲得した。

 インザーギ新監督は、伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)に対して「今日は勝ったが、これで勘違いしてはいけない」とコメントした。

「後半15分までは完璧に近かったが、その後はすこしラツィオに苦しめられた。彼らは今年、サプライズを起こしうるチームだと思う」

「集団として良い戦いができて、その点には満足している。今後もいくつか負けることはあるだろうが、それは相手の実力が上だからであって、われわれは気持ちでは負けない」

 試合の序盤、ミランはDF陣が少し神経質になっているようにみえ、左SBに入ったダニエレ・ボネーラ(Daniele Bonera)が執拗に狙われていたが、最初の緊張がほぐれると、開始7分に早くも先制点を決めた。

 味方からの上手いロングボールを左サイドで受けたステファン・エル・シャーラウィ(Stephan El Shaarawy)が、ステファン・デ・フライ(Stefan de Vrij)をかわしてドリブルで持ち上がり、中央に折り返すと、右サイドを駆け上がっていた本田がGKエトリト・ベリシャ(Etrit Berisha)の股を抜くシュートを決めた。

 このゴールで落ち着いたミランは、余裕をもって試合を支配し始め、ゴール右で粘って前を向いたメネズが低く鋭い折り返しを入れる場面もあったが、なかで合わせる選手はいなかった。

 一方のラツィオは、序盤はゴールに向かうプレーをほとんど出せず、前半中盤にミロスラフ・クローゼ(Miroslav Klose)がミランのDFラインを破った場面が唯一の好機だったが、左からのクロスはDFのクリスティアン・サパタ(Cristian Zapata)に当たり、GKのディエゴ・ロペス(Diego Lopez)に難なく処理された。

 それでもラツィオは後半、気合を入れなおしてピッチに出ると、ケイタ・バルデ・ディアオ(Keita Balde Diao)のパスからクローゼがゴール前へ抜け出しかけたが、その後のクローゼのパスは正確さを欠き、中央に走り込んだルーカス・ビリア(Lucas Biglia)には合わなかった。

 すると後半10分、押されていたミランがリードを2点に広げた。右サイドのイニャツィオ・アバーテ(Ignazio Abate)がシンプルにクロスを送ると、ワンバウンドしたボールを中央でフリーになっていたムンタリが脚を伸ばして押し込んだ。

 さらに後半15分過ぎには、エリア内でメネズがデ・フライに倒されてPKを獲得。接触は激しくないようにみえたが、これをメネズ本人が左隅にしっかり決めた。

 ラツィオもその直後、味方のクロスに走り込んだフィリップ・ジョルジェビッチ(Filip Djordjevic)がニアサイドでボールをすらすと、これがミランのDFアレックス(Alex)にあたってゴールに入り、1点を返した。

 この得点で息を吹き返したラツィオは、ステファノ・マウリ(Stefano Mauri)が立て続けにシュートを放ったが、1本目は枠をとらえず、2本目はアレックスに防がれて得点にはならなかった。アントニオ・ カンドレーヴァ(Antonio Candreva)のニアへの低いシュートも、GKロペスに阻まれた。

 それでも、ラツィオの粘り強い攻めはロスタイムに報われ、カンドレーヴァがPKを獲得したが、左へのキックはロペスに阻まれた。(c)AFP/David Schiavone