【8月31日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)は30日、オランダ・エールディビジのアヤックス(Ajax)と、同国代表のデリー・ブリント(Daley Blind)獲得で合意したと発表した。

 ユナイテッドはクラブの公式ツイッター(Twitter)アカウントに、「MUFCはデリー・ブリント獲得でアヤックスと合意し、残すはメディカルチェックと個人条件での合意となった。それらが完了次第、追って発表を行う」と投稿している。

 24歳のブリントは、左SBと守備的MFを主戦場としており、ブラジルW杯(2014 World Cup)には現ユナイテッド指揮官のルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督が率いたオランダ代表の一員として出場し、チームの3位入賞に貢献した。

 個人面での合意とメディカルチェックを残してはいるものの、それらが終われば、ブリントは低迷脱却を目指すユナイテッドの今夏5人目の新加入選手となる。

 ファン・ハール監督は、0-0の引き分けに終わった敵地でのバーンリーFC(Burnley FC)戦後、「デリーはマンチェスター(Manchester)に来てメディカルチェックを受ける。その後、おそらくわれわれの新しい選手となる」とコメントした。

 今夏のユナイテッドは、これまで戦力補強に1億3000万ポンド(約225億円)以上をつぎ込み、先日は移籍金の英国記録となる5970万ポンド(約103億円)を投じてアルゼンチン代表のアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)を獲得すると、バーンリー戦で早速起用した。

 そのほかにユナイテッドは、サウサンプトン(Southampton FC)からイングランド代表左SBのルーク・ショー(Luke Shaw)を、スペイン1部リーグのアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)からMFのアンデル・エレーラ(Ander Herrera)を、ポルトガル1部リーグのスポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)からディ・マリアと同じアルゼンチン代表のマルコス・ロホ(Marcos Rojo)を獲得している。

 オランダ国内の報道によると、ブリントと代理人のロブ・ヤンセン(Rob Jansen)氏はすでに、5年契約の方向でユナイテッドと話し合いを行ったという。

 移籍金は明らかにされていないものの、オランダメディアは、ブリント獲得にユナイテッドが使った資金は1800万から2000万ユーロ(約24億円から27億円)だと報じている。

 元オランダ代表のダニー・ブリント(Danny Blind)氏を父に持つブリントは、ドイツ、アルゼンチンに次ぐ3位に入ったファン・ハール監督のオランダ代表で、鍵となる役割を果たした。

 名高いアヤックスのアカデミー出身であるブリントは、複数のポジションでプレーが可能で、ファン・ハール監督がユナイテッドに持ち込んだ3-4-1-2の布陣にも慣れ親しんでいる。

 ファン・ハール監督にとっては、こうした万能性が魅力的に映った。監督が今季から率いるユナイテッドは、スウォンジー・シティ(Swansea City)には本拠地で敗戦、敵地でのサンダーランド(Sunderland AFC)戦とバーンリー戦は引き分け、さらにキャピタル・ワン・カップ(Capital One Cup 2014-15)ではフットボールリーグ1(3部)のミルトン・キーンズ・ドンズFC(Milton Keynes Dons FC)に0-4で大敗と、開幕からつまずいている。

 ブリント本人は、英国行きの飛行機に乗り込む前、オランダ放送協会(NOS)に対してコメントし、ユナイテッドのような偉大なクラブと契約できて誇らしいと語った。

「本当にあっという間の出来事だった。こういう方向で決まってうれしいし、とても誇りに思う。僕は1シーズンで何得点も決めるような選手じゃない。どちらかというとチームプレーヤーだ。ほかの選手をプレーしやすくするのが、僕の仕事になる」

 その一方で、ファン・ハール監督がチームの再編を行っているユナイテッドは、9月1日の移籍市場閉鎖の前に、数多くの選手を放出する可能性がある。

 MFのトム・クレヴァリー(Tom Cleverley)がアストン・ビラ(Aston Villa)と交渉しているほか、日本代表の香川真司(Shinji Kagawa)にはバレンシア(Valencia CF)移籍とボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)復帰のうわさがあり、メキシコ代表FWのハビエル・エルナンデス(Javier Hernandez)はユベントス(Juventus)が狙っているとの報道がある。 

 バーンリー戦後、香川について問われたファン・ハール監督は「様子を見なくてはならない。最後に(出ていくかを)決めるのは監督ではなく選手だからだ」とコメントした。(c)AFP