【8月29日 AFP】アフリカ沖西インド洋(Indian Ocean)の島国マダガスカルで28日、首都アンタナナリボ(Antananarivo)にイナゴの大群が襲来した。アンタナナリボの上空は雲のような厚いイナゴの群れに覆われ、子どもたちは逃げまどい、生花店はイナゴを追い払おうとタイヤを燃やすなど街はパニックに陥った。

 路上は雨のように降り注ぐイナゴの死骸でいっぱいだ。熱心にイナゴの死骸をすくってはプラスチック袋に集めていた13歳の少年は「ニワトリに食べさせるんだ。それでニワトリが死ななかったら僕たちが(イナゴを)食べる」と語った。

 高温多湿なマダガスカル島はイナゴの繁殖に最適な環境で、イナゴの大発生は珍しいことではない。最も直近の大発生では、日本の国土とほぼ同じ面積が被害を受け、稲田やトウモロコシ畑が壊滅した。

 マダガスカル当局や国連(UN)が数か月前から飛行機やヘリコプターで殺虫剤を散布してイナゴ撲滅対策に努めているが、専門家らは、最近の熱波がイナゴたちを自然の生息地から都市部に向かわせているとみている。(c)AFP