【8月29日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督は、英国史上最高額の移籍金で獲得したアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)が30日のバーンリーFC(Burnley FC)戦でのデビューを目指す中、同選手がたった1人でチームをすぐさま再生させられるわけではないと語った。

 ディ・マリアの獲得に5970万ポンド(約103億円)をつぎ込み、移籍金の国内記録を更新したファン・ハール監督は、この夏、力量不足の陣容を大きく刷新すべく、就任以降すでに1億3000万ポンド(約225億円)以上を戦力補強に投じている。

 チームが敵地ターフ・ムーア(Turf Moor)に乗り込むアウェーゲームで、ディ・マリアが試合のどこかの段階で顔を見せると予想されるが、ファン・ハール監督は、目を見張る経歴を持つディ・マリアであっても、加入後いきなり奇跡を起こせるとは考えていない。

 ユナイテッドは、リーグ開幕戦のスウォンジー・シティ(Swansea City)戦に敗れ、続けてサンダーランド(Sunderland AFC)と引き分けると、26日のキャピタル・ワン・カップ(Capital One Cup 2014-15)2回戦では、フットボールリーグ1(3部)に所属する格下ミルトン・キーンズ・ドンズFC(Milton Keynes Dons FC)に0-4で大敗するという失態を演じており、未だにファン・ハール政権下で初勝利を挙げられていない。

 デビッド・モイーズ(David Moyes)前監督時代の負の遺産が山積みで残されているとはいえ、ここまでのつまずきはやはり驚きだが、その一方で指揮官は、前任者たちのオールド・トラフォード(Old Trafford)での仕事ぶりを批判したくないと語り、ディ・マリア1人の加入で課題が解決するわけではないとはっきり口にした。

 ファン・ハール監督は、チームを引き継いだ際の陣容が十分でなかったのではと問われると、「それは過去に目を向けた意見だ。そうした質問には答えたくない。なぜか?私はデビッド・モイーズや(アレックス・)ファーガソン(Alex Ferguson)氏に敬意を払いたいからだ」とコメントした。

「われわれは未来と今の仕事に目を向けなくてはならないと思う。今すべきはクラブの復権と新しいチームの構築だ。それには時間がかかるが、ファンにはその点について申し訳ない」

「どこかで読んだが、ディ・マリアが2日間の練習で奇跡を起こすなどという話に、期待してはいけないんだ」

「奇跡を起こすには準備が必要だ。ディ・マリアもチームの特徴に順応しなくてはならないが、チームも彼の特徴を理解しなくてはならない」

(c)AFP/Steven GRIFFITHS