【8月29日 AFP】ウクライナ領内に秘密裏に派遣され死亡したロシア兵の葬儀がひそかに行われたとの報道を受け、ロシア中部の軍事基地前に28日、数十人の女性たちが集まり、兵士の夫の行方を明らかにするよう、司令官らに要求した。

 ロシアの独立系メディアは今週、ロシア北西部で兵士数人の葬儀が秘密裏に行われたと報道。参列者の話として、兵士らはウクライナで死亡したと伝えた。当局はこの報道について調査中とした上で、ウクライナに兵士が派遣されたとの情報の確認を拒否している。

 女性たちが集まったのは、首都モスクワ(Moscow)の北約300キロに位置するコストロマ(Kostroma)にある、空挺(くうてい)部隊が駐屯する基地。女性たちの多くは20代で、そのうちの数人は小さな子どもを連れていた。

 こうした女性らの一人であるバレリア・ソコロワさん(26)によると、同市の兵士およそ350人が今月にウクライナとの国境付近での軍事演習に派遣されたが、その後連絡がつかなくなった。

 同基地の司令官らはソコロワさんに、数人の兵士は遺体となって送り返され、また負傷した兵士およそ15人も今週空路で帰還したと話したという。ただ、女性たちの夫らがウクライナに派遣されたか否かの確認は拒否したという。「彼らは、夫らがロシアにいないということしか話すつもりはないのです」

 ソコロワさんが最後に夫と連絡を取ったのは23日。夫は同僚と共に配備される予定だと話したが、行き先については明らかにしなかった。