【8月29日 AFP】トルコで28日、これまで10年以上首相を務めてきたレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)氏(60)が大統領に就任した。エルドアン氏の独裁的な姿勢を批判する野党議員らは、宣誓式の場から一斉に退席した。

 首都アンカラ(Ankara)で任期5年の大統領就任宣誓を行ったエルドアン氏は、新憲法の制定を推し進め、野心的な開発計画を遂行することにより「新生トルコ」を樹立すると誓った。

 エルドアン氏の憲法違反を訴えている野党・共和人民党(CHP)の議員らは、宣誓式の直前に怒りもあらわに議場を後にした。

 今月10日に行われた同国初の直接選挙で52%の票を獲得し勝利したエルドアン氏は、大統領として絶対的な行政権を行使していきたいという意向を表明している。

 エルドアン氏の後継となる首相には、アフメト・ダウトオール(Ahmet Davutoglu)外相(55)が就任する。ダウトオール氏は長くエルドアン氏を支持してきた人物で、エルドアン大統領と対立することはほぼないとみられている。

 ダウトオール氏は27日、与党・公正発展党(AKP)の党大会で党首に任命された。党大会でエルドアンとダウトオールの両氏は、役職は変わっても政策に変更はないと強調した。

 ダウトオール氏は29日中に組閣する見通し。主要閣僚の人選については臆測が飛び交っており、外相には国家情報機構のハカン・フィダン(Hakan Fidan)長官が任命される可能性も取り沙汰されている。

 2009年に外相に就任したダウトオール氏に対しては、同氏が過度に野心的な外交政策を打ち出したためにシリアにイスラム過激派が台頭してきたと批判されてもいる。(c)AFP/Burak AKINCI, and Stuart WILLIAMS in Istanbul