【8月29日 AFP】(一部更新)日本発の世界的人気キャラクター「ハローキティ(Hello Kitty)」は猫ではなかった!――文具からパジャマまで、世界中で多くの製品に描かれているハローキティについてサンリオ(Sanrio)が28日、衝撃的なコメントをした。ネット上には「でもキティには猫ひげがあるじゃないか!」などと反論があふれている。

 サンリオのウェブサイトでも、ハローキティは「明るくて、優しい女のコ」と紹介されている。

 日本の「カワイイ」を研究テーマとしている米ハワイ大学(University of Hawaii)の人類学者クリスティン・ヤノ(Christine Yano)氏が米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)に語ったところによると、ハローキティの生誕40周年の記念展を開催するにあたって、ハローキティが猫であるとの確認をとろうと同氏がサンリオに問い合わせたところ、サンリオ側からきっぱりと「ハローキティは猫ではない」と訂正されたという。

 ヤノ氏は同紙に、サンリオの説明として「ハローキティは猫ではなく、アニメのキャラクター。ハローキティは小さな女の子で、お友達でもあるけど猫ではありません。四つんばいの姿を描かれたことは一度もない。二足歩行する生き物のように歩いたり座ったりするんです」と語っている。

■英国暮らしのハローキティ

 AFPも、日本の最も有名な輸出商品の一つである「ハローキティ」が猫なのかどうかをサンリオに問い合わせてみた。

 サンリオの答えは「猫がモチーフなのは間違いないが100%擬人化している。設定の中に猫的要素は入っていない」というものだった。

 サンリオの広報担当者によるとハローキティの本名は「キティ・ホワイト(Kitty White)」。1974年11月1日生まれで星座はさそり座、血液型はA型だ。またウェブサイトのプロフィールによると、ロンドン(London)郊外でパパのジョージ、ママのメアリー、双子の妹のミミィと暮らしている。そして「本当の」猫のペット、チャーミーキティを飼っている。

 ハローキティと家族には国籍の設定はないが、英国に住んでいる設定にしたのは、1970年代の日本の少女たちに西洋のライフスタイルへの強い憧れがあったからだという。擬人化は、ファンの人たちがハローキティを「心の友」として身近に感じられるよう作られたものと、サンリオの広報担当者は語った。

 ハローキティは猫ではないとの発表で世界に衝撃が走っていることについては、日本で驚いている人はいないのではとサンリオはみている。「われわれはそう説明してきたし、そう理解されてきたと思う」

 だが、AFP東京支社の日本人スタッフを対象に調査したところ、ハローキティは猫だと思っていたという意見が多数派だった。(c)AFP/Harumi OZAWA