【8月28日 AFP】オーストラリア当局は28日、乗客乗員239人を乗せて3月8日に消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便について、従来の想定よりも早期に「南に向かった可能性」を示唆する新たな情報が得られたとして、現在の捜索範囲内の南側の捜索に注力すると発表した。

 オーストラリアのウォレン・トラス(Warren Truss)副首相によるとこの新たな情報は、人工衛星データの「解析精度の改良」と、消息を絶つ前にMH370便が通信を失敗した際の同機の位置の特定作業により得られた。

「捜索範囲は従来と同じだが、新たに得た一部の情報によれば、捜索範囲内の南側の優先度が高く、南側に特に関心を持っている」とトラス副首相は語った。

 先だってオーストラリアとマレーシアは、MH370便の捜索活動の次の段階についての覚書を取り交わした。

 専門家らは現在、MH370便が墜落した可能性が最も高い海域の位置を技術資料を用いてまとめているところで、9月から始まる集中的な海底捜索の準備も始めている。捜索活動は6万平方キロの範囲の海洋となる見通しだ。

 トラス副首相によると捜索当局は、MH370便が人工衛星と最後の「ハンドシェイク」を発信した、捜索範囲内の「第7弧(7th Arc)」と呼ばれる範囲のどこかに沈んでいると今もなお確信している。(c)AFP