ブログで情報発信を続けるジャーナリスト、イスラエル・ヨロバ・グエボ(Israel Yoroba Guebo)氏は今月中旬、『ストップ・エボラ』と題する「大衆歌」を作曲し、インターネット上で8700回再生されるヒットを記録。携帯電話の着信トーンにこの曲を採用する事業者も出てきた。このグエボ氏も、コートジボワールの人々がパニックに陥っていると話している。

■「白人が発明したウイルス」

 エボラ出血熱に関する警告や情報の広報活動にもかかわらず、科学的事実に反する奇想天外な説でこの疫病を説明しようとする者もいる。研究者のジュール・エバリステ・トア(Jules Evariste Toa)氏によれば、農村部では「皆が野生動物の肉を食べ続け、エボラウイルスはアフリカ人を滅ぼすために白人が発明したものだと噂している」ところもあるという。

 また一部の人々は、すでにエボラ熱はコートジボワールに到達しており、政府は患者を隠していると主張しているが、公衆衛生当局は明白にこれを否定している。

 常に国境が抜け穴だらけのコートジボワールでは、いかに警備しても完全に封鎖することは難しい。ギニアに近い北西部の都市オジェネ(Odienne)では、30ドル(約3000円)程度で密入国ができる。貧しい現地の基準に照らしても比較的少額でできる越境で、これによりコートジボワールは感染拡大の危険にさらされている。(c)AFP/Christophe KOFFI