【8月27日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相が、4月に和歌山県で行われた第2次世界大戦(World War II)のA級、BC級戦犯の法要に哀悼の意を伝える書面を送っていたことを27日、法要の主催団体が明らかにした。

 安倍首相が書面を送ったのは、和歌山県の高野山奥の院にある「昭和殉難者法務死追悼碑」での法要。元将校らが主催して4月29日に行われ、約220人が参列した。碑は第2次世界大戦の戦犯とされた約1180人を追悼しており、靖国神社(Yasukuni Shrine)に合祀(ごうし)されているA級戦犯14人も含まれている。

 朝日新聞(Asahi Shimbun)の報道や参列者2人の話によると、安倍首相は書面で「今日の日本の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉難者のみ霊に謹んで哀悼の誠をささげる」と述べている。

 この法要は、戦犯としてフィリピンで拘束されながら後に無罪となった故・築野政次(Masaji Tsuno)氏の呼び掛けで1994年に建立されて以降、毎年行われている。

 菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官は27日の会見で「自民党総裁ということで、総理大臣ではなく、私人としてのメッセージだと思っている」と述べ、政府としてのコメントを差し控えた。また菅官房長官は、東京裁判(極東国際軍事裁判)の結果については、1951年の「サンフランシスコ平和条約において(わが国は)裁判を受諾している」と付け加えた。(c)AFP