【8月27日 AFP】米ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)近郊ファーガソン(Ferguson)で、銃を所持していなかった黒人の青年マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(当時18)が白人警官に射殺された事件で、米CNNテレビは26日、事件で発せられた銃声をとらえたとされる音声を放送した。

 この音声の存在はこれまで明らかにされていなかった。米連邦捜査局(FBI)は同日のAFPの取材に対し、この音声が実際に当時のものであるかについてのコメントを拒否している。

 CNNによると、現場近くに住む男性が事件発生時に偶然にも録音していたインターネット電話サービス「スカイプ(Skype)」での通話の中に、銃声が録音されていた。録音では、まず6発の銃声が聞こえ、少し間をあけてさらに4発の銃声が聞かれている。

 録音した男性の弁護士、ロパ・ブルーメンタール(Lopa Blumenthal)氏によれば、この住民の男性は匿名を希望している。同弁護士はまた、連続して聞こえる銃声と、その後に再び聞こえる銃声に「間」があることを指摘し、「発砲の回数だけではなく、どのように発射されたかが問題だ。これは、最終的な捜査結果に大きく関係する」と話している。

 ブラウンさんは検視の結果、6発を被弾していたことが分かっているが、発砲に関する説明は警察側と目撃者とで大きく異なっている。警察は、ブラウンさんが警官のダレン・ウィルソン(Darren Wilson)さん(28)の銃を奪い取ろうとしたと主張。一方、ブラウンさんと一緒に歩いていた友人を含む目撃者らは、ブラウンさんが手を挙げて降伏のサインをはっきりと示していたにもかかわらず撃たれたと話している。

 セントルイスの大陪審は現在、発砲したウィルソンさんの行動が過度の武力行使にあたるかどうかを判断するための審理を行っている。(c)AFP