【8月27日 AFP】英中部ロザラム(Rotherham)で、1997~2013年の16年間に約1400人の子どもが性的虐待を受けていたとする報告書が26日、発表された。調査を実施した専門家は、地元当局が虐待に関する報告があったにも関わらず対応を怠ったと非難している。

 報告書では、少女を狙った集団強姦(ごうかん)や誘拐、人身売買などについて詳述しており、被害者の中には11歳の少女もいたことを明らかにしている。

 地元自治体の委託を受けて行われたこの調査の結果をまとめた社会福祉専門家のアレクシス・ジェイ(Alexis Jay)氏は、「ロザラムでこの間、実際にどれほどの規模で子どもに対する性的搾取が行われていたのかは誰にも分らない」としつつ、「少なく見積もっても1400人の子どもたちが搾取されたとみられる」と語っている。

 報告書によれば、虐待被害者らは犯人の多くが「アジア系」だったと証言したが、地元当局は「犯人らの人種を特定することによって、人種差別主義者だと思われるとへの不安」を感じていたという。

 ジェイ氏によると、被害者の一部はガソリンをかけられ、火を付けると脅されたり、銃を突きつけられたり、他の被害者が強姦される現場に立ち会わせた上で「誰かに話したら次はお前の番だ」と脅されたりしていた。

 報告書の公開を受け、地元議会のロジャー・ストーン(Roger Stone)議長は辞職を表明した。報告の内容に関連して、地元当局の関係者が懲戒処分を受けることはないという。(c)AFP