【8月26日 AFP】アルビノ(先天性色素欠乏症)の子どもたちを収容しているタンザニア政府の施設について、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の専門家が25日、虐待だと非難した。

 東アフリカに位置するタンザニアでは2000年以降、少なくとも74人のアルビノの人々が殺害されている。同国ではアルビノの人々の体の一部が600ドル(約6万2000円)前後、全身が7万5000ドル(約780万円)前後で「お守り」などとして売られている。

 タンザニア視察を終え記者会見したOHCHRのアリシア・ロンドノ(Alicia Londono)氏によれば、09年に殺人件数が急増したため、タンザニア政府はアルビノの子どもたちを児童施設へ収容した。同氏は「最初は保護措置として歓迎されたが(施設の)環境は最悪だ。過密状態で衛生状態も非常に悪い。こうした施設内では虐待が横行しており、性的虐待もある」と報告した。

 国連(UN)の統計によれば、タンザニア政府が運営する23の児童施設のうち、13の施設がアルビノの子どもを受け入れている。

 ロンドノ氏によれば、子どもたちは強制的に家族と引き離され、連絡は一切途絶えてしまう。しかし施設を閉鎖すれば、子どもたちは呪術医や人身売買業者の手に渡ってしまうため、施設の環境を向上させることが重要だと同氏は訴えた。タンザニアやアフリカ大湖沼一帯の諸国では、アルビノの人々に対する犯罪が罰せられることはほとんどないという。(c)AFP