【8月26日 AFP】ドイツ東部ドレスデン(Dresden)で25日、オフィスビルに迷い込んだ若いオスのヘラジカが、数時間「じっとしていた」後に救出される出来事があった。警察当局が同日、明らかにした。

 国境を越えて、ポーランドもしくはチェコから迷い込んだとみられるこのヘラジカは、独電機・金融大手「シーメンス(Siemens)」が入るオフィスビル内のガラス張りのカフェテリアで立ち往生していた。

 駆け付けた警察が現場を封鎖したが、体重約800キロとみられるヘラジカは、おとなしくその様子をうかがっていた。

 大勢の人々が見守るなか、対応に当たった警官およびドレスデン動物園や猟友会の関係者らは、ヘラジカを大型トレーラーの中に誘導しようとまず試みた。しかしこの作戦が奏功することはなく、最終的には麻酔銃を使ってこの大きな動物を運び出すことになった。

 生後2~3歳とみられるヘラジカが、その後どこに運ばれたかについては、今のところ明らかになっていない。動物園の広報担当者は、「十分な高さの柵がないため、動物園では飼育できない」としている。

 数日前から市内で目撃されていたヘラジカは、25日にショッピングセンターの駐車場に現れた。多数の見物人が集まり、警察官が現場に駆け付けたところで、ヘラジカはオフィスビルの中へと逃げ込んだ。

 ザクセン(Saxony)州森林管理当局の報道官は、このヘラジカについて、同州と国境を接するポーランドかチェコからきた可能性を指摘し「複数の越境ルートがある」ことを明らかにした。(c)AFP