ある成人男性は、6歳の息子に向かって「将来は何になりたいのか」と尋ねる。すると息子は促されるように「イスラム聖戦士。異教徒はイスラム教徒を殺すから」と答える。

 15歳未満の少年たちがシャリアのキャンプに参加する一方で、年上の少年たちは軍事作戦について学ぶという。

 ある男性は「この世代の子供たちは、カリフの世代だとわれわれは考えている。この子たちは正しい教義を学んでいる」と語り、「彼らは全員、イスラム国建設のため、そして神のために戦っている」と続けた。

 ドキュメンタリーには、女性の姿も若干写っていた。女性らは全員、ヒジャブ(頭髪を覆うスカーフ)を着用している。

 Dairieh氏は、裁判所も撮影。作品中、手続きは国際法に準拠しているのかと質問された裁判所のある関係者は、「われわれの目的は、神を満足させることだ。だから国際法など気にしていない」と回答している。

 メディアによるISへの取材は、安全保障上の理由により極めて異例だ。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は先月、この組織についての取材報道を行ったが、ドキュメンタリーの著者やインタビューを受けた人物らの特定は行っていない。

 報道によると、モサ氏ともう一人のIS関係者は、ドキュメンタリーに出演したことを理由に殺害されたという。こうした残忍さを鑑みると、Dairieh氏がベールに隠されたIS内部に潜入できたことは、極めて異例といえる。(c)AFP/Brigitte DUSSEAU