MH370便、謎解明を求める家族グループ「ボイス370」
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6月、バジェクさんを含むいくつかの家族が、情報提供をしてくれる内部告発者のために500万ドル(約5億円)の賞金を寄付で募る運動を開始した。これまでに集まったのは、10万500ドル(約1050万円)だけだ。
「みんな疲れているし、心のどこかでこの事件を忘れて『もうこれで終わりだ』と言いたいと思っている。その一方で『真相が分かるまで休めない』と思っているのも事実だ」と、ビジネスコンサルタントのK.S.ナレンドランさん(50)はいう。妻のチャンドリカ・シャルマさんがMH370便に搭乗していた。
バジェクさんは、ウクライナ東部でマレーシア航空MH17便が撃墜された事件によって「ボイス370」というグループの重要性がいっそう強調されたと語る。特に航空会社の「深刻な欠陥」を浮き彫りにし、乗客を危険にさらしている航空会社や当局の「機能不全」を監視する必要がある。
それでも「ボイス370」から抜ける人は増えている。バジェクさんもビデオミーティングにはもう参加していない。彼女や他のメンバーたちは、当局に圧力をかける違うやり方を模索するようになった。例えば、マレーシア航空やボーイングに対してさらなる情報開示を求めて訴訟を起こすことも検討している。
これまでのところ目立つ訴訟は起きていないが、どこでどのように訴訟を起こすことが最も効果的か、複雑な問題を解きながら戦略を練っているところだという家族もいる。「私は父のたったひとりの息子だ。私たちは何があろうと、彼らを取り戻す必要がある」とワンさんはいう。「そうしなければ、私は罪悪感を持ち続けるだろう」(c)AFP/Julia ZAPPEI