【8月25日 AFP】人の寿命は、上限なく延び続けるのだろうか?──人類がずっと抱き続けてきたこの疑問に対する答えを出すため、長寿とされる2つのグループの人たちを対象とした研究を行ったフランスのチームが、永遠の命に対する「生物学的障壁」が存在する証拠を確認したとする論文を、米医学誌「老年学ジャーナル(Journal of Gerontology)」に発表した。

 研究チームは1899~2013年に110歳以上で亡くなった人たち1205人と、1896~2012年に開催された五輪に出場したアスリート1万9012人を対象に調査を行った。アスリートは寿命が最も長い部類に入ると考えられている。

 110歳以上で亡くなった人たちについては、寿命はそれまで着実に延びてきたものの、1997年に頭打ちになったことが確認された。また、アスリートでも同様に、一定の時点で延びが止まっていることが確認された。

 研究チームは、こうした傾向が「最も寿命の長い人たちの間に、最近の寿命延長のパターンが見られることを示唆するものではなかった」とした上で、平均的な寿命の人たちにとって良いニュースとはいえない結果だと指摘している。

 寿命が延びる傾向が継続したのであれば、より多くの人がさらに長生きしている証拠が見つかるはずだった。だが、実際の調査結果は、寿命が止まることなく延び続けるのを阻む「目に見えない壁」が存在するとの説を裏付けるものだったという。

 今回の調査が「比較的少人数」を対象に行われたものであり、観察期間が限られていたことは研究チームも認めており、確認された傾向は、一時的かつ変則的なものである可能性も否定できないとしている。(c)AFP