【8月24日 AFP】中国・海南島(Hainan Island)沖の上空で中国の戦闘機が米軍の哨戒機に異常接近したと米国防総省が発表したことを受け、中国政府は23日、国営メディアを通じて「頻繁に、大規模に実施されている」米軍の偵察活動は空中での衝突につながりかねないとして、米国を批判した。

 米国防総省のジョン・カービー(John Kirby)報道官は22日、武装した中国軍の戦闘機が米軍のP8哨戒機に3回、異常接近したことを明らかにした。哨戒機の下方を通過した中国軍機がP8の機首のすぐ前を横切り、翼端の間の距離が約9メートル以下になるほど接近して飛行したという。

 また、中国軍機はこの際、戦闘機が敵の銃撃をかわす場合などに進行方向を変えないまま横に回転する「バレルロール」という飛び方をしたという。機体の下部にある武器を見せようとしたものと推測され、カービー報道官はこれについて、「非常に危険な」妨害行為だと非難した。

 一方、中国の国営新華社(Xinhua)通信によると、同国国防省の楊宇軍(Yang Yujun)報道官は声明で「正当な根拠が全くない」と米側の主張を一蹴し、米軍が中国の領海に近い場所で偵察活動を行っていることをやり玉に挙げた。

 米中両政府は以前から、戦略的な重要性を持つ南シナ海(South China Sea)とその上空における権益に関して異なる見解を示してきた。米国が公海だと主張する水域について、中国は自国の「排他的経済水域」だと主張している。(c)AFP