【8月23日 AFP】ロシアがウクライナ東部の親露派支配地域に支援物資を送るためとして派遣したトラックの一部が23日、ロシアに帰り始めた。欧州安保協力機構(OSCE)の監視員が明らかにした。

 ロシア国境にある「ドネツク(Donetsk)」と呼ばれる検問所を監視するOSCEのポール・ピカール(Paul Picard)監視団長代理はAFPに対し、トラックが通過し始めたが正確な台数は分からないと述べた。

 一方、ロシア通信(RIA)は税関職員の話として、「トラックの最初のグループ34台の通関検査が終わり、 それらの車両はロシア国内に戻った」と伝えた。税関職員によると、6グループのトラックが税関を通ってロシア国内に戻る見通しだという。

 トラックの車列は、ロシア政府、ウクライナ政府、赤十字国際委員会(International Committee of the Red Cross)がトラックの通過について合意形成を模索する間、ウクライナ国境に近いロシア領内で1週間足止めされていた。その間ロシア政府は一部のトラックの積み荷を報道陣に公開し、水、食料、医薬品、発電機など約1800トンの支援物資を運んでいると発表していた。

 しかしトラックの車列は22日、ウクライナ政府の許可を得ず、赤十字の監視員も付けないまま越境してウクライナ領内に入った。ロシアの国営テレビによると、トラックの車列は22日夜にウクライナ東部のルガンスク(Lugansk)に到着し、支援物資を降ろしたという。

 ロシア政府は支援物資を積んだトラックは280台だと発表していたが、OSCE監視団は22日に出した声明で、ウクライナ領内に入ったトラックは6グループの227台しか数えていないと発表していた。(c)AFP