【8月23日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)北東のディヤラ(Diyala)州で22日、イスラム教シーア派(Shiite)民兵がスンニ派(Sunni)のムスアブ・ビン・ウマイル(Musab bin Omair)モスクを攻撃した。複数の医師と当局者によると、礼拝者たちが機関銃で撃たれ、70人が死亡、20人が負傷したという。

 軍と警察は、シーア派民兵が衝突で死亡したことへの報復とみている。別の情報源によると、モスク襲撃の前にパトロール隊の近くで路肩爆弾が爆発したという情報もある。

 2人の当局者が当初、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」による襲撃だとしていたが、圧倒的多数の証言はシーア派民兵集団の仕業であることを示している。

 ISの攻勢を受けたイラク政府が弱体化していた軍をてこ入れするため民兵組織に頼ったため、過去数年間の宗派間の残虐な殺し合いに関与した武装グループが復活してしまった。この動きを止めるのは難しいとみられる。

 イラクの次期首相に指名されたハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)氏は襲撃を非難し、国の結束を呼びかける声明を発表したが、今回の襲撃で論争を呼んでいる組閣作業がいっそう困難になる恐れもある。(c)AFP